岩手県在住の看護師、斎藤美香さん(42)が、父親の可能性がある身元不明の遺体が発見されたと連絡を受けたのは3月29日の朝だった。
その遺体は、埼玉県戸田市にあるワンルームマンションの台所付近で発見された。死後1カ月以上は経過し、見た目では判別できない状態の「孤独死」だった。
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埼玉県警蕨(わらび)署の刑事の説明によると、2022年から賃貸契約していた父親(当時67)の遺体とみられ、美香さんと妹とのDNA鑑定を行いたいとのことだった。
承諾したものの、美香さんにとって父の死はどこか遠い出来事のように思えた。
元自衛官だった父親の栃内弘巳さんは25年ほど前に母親と離婚。それ以降、ずっと会っていなかった。
DNA鑑定が一致し、父親の遺体と判明した後、知らぬ間に死亡届が出され、60万円の現金を含む遺留金品が処分されていました。驚いた遺族が市や警察に問い合わせてみると……
父親は離婚後、埼玉県に転居…